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3キャリア対応ゲームアプリシリーズ、「夢魔の天蓋」「夢幻狂詩ネクロノミコン」「夢幻舞葬モンストラバルツ」について考察やら妄想やら色々。
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 まぁ、こういう場合の予感ってやつは大概当たるものなんだろうな。これがただの気のせいならどんなにいいだろうと思うが。
 夢ってやつは繰り返すんだろうか。それとも、流れていくのだろうか。いや、どちらもか。

 きっと似てるんだろうな。そう思う。隣で煙草を吸うジンの姿。かつて彼が憧れていたという、その父親の姿に。ジンに言っても否定するだけだろうが。
 それに、その『父親』は、ジンから様々なものを奪った。大切なものを。
 知らない時はわからなかった。
 ジンは何も語らなかったから。
 適当にごまかすことも、おどける事も出来ない不器用な男は、ただ黙っていた。訳がわからずイライラもしたが、全てを知った今、どんな気持ちで黙っていたのだろうと思う。

 飲み込んで、抱えるには大きすぎただろう。だから教授もジンを気にかけていたのだろう。
 そして多分、それが取り除かれた後に出来た穴は大きく、深いだろう。
 その穴を埋める術は、見つかったのだろうか。
 これから彼は、どうやって生きていくのだろうか。
 魔法使いとして。
 それとも、もっと別の。
 別の。

 …夢を。

 ああ、そんな事を思ううちに、夢から醒めてしまうな。
 いや、醒める事はないのか。
 次の夢を見るだけ。
 夢から、また夢へ。

 視界に段々霞がかかってくる。僅かずつ歪んで、それから色味が失われていく。白く、モノクロームに。

 ……もしかしたら、目が醒めたという夢を見るだけかもしれない。
 そしてまた夢を見続けるのだ。

 眠る事を、望んだのだから。


 次の瞬間、視界に公園は写っていなかった。
 ベンチに腰掛けてもいないし、隣にジンはいない。


 ただ、口には煙草が、あった。

END
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