忍者ブログ
3キャリア対応ゲームアプリシリーズ、「夢魔の天蓋」「夢幻狂詩ネクロノミコン」「夢幻舞葬モンストラバルツ」について考察やら妄想やら色々。
43. 42. 41. 40. 39. 38. 37. 36. 35. 34. 33.
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 コンビニに着くと、中には入らずに自動販売機で煙草を買う。ジンの買った銘柄が、日本に居た頃自分が吸っていたものと同じもので、思わず苦笑が零れた。
「……何だ」
「何でもない」
 睨まれ、俺はまた苦笑した。多分、何でも良かったんだろう、そんな買い方だ。自動販売機の、一番目に止まりやすい場所にボタンがある。
 右手と、口を使ってフィルムを剥がし、一本口にくわえる。その動作を見ながら、そこで初めて気が付いた。
 左腕が、ない。
 前は確か、変形してしまったあの腕を、服の内側、カバーの中にしまい込んでいた。でも今はそれすらない。左の肩から下には何もない。
 少し懐かしいような、煙草の香りが漂って来た頃、ジンは再び歩き出していた。

 向かった先には公園があった。大して広くもない所だが、それでも都会の中で緑に触れ合える貴重な場所。
「懐かしいな。よく来てたよ、ここ」
 あまり変わってない。
「……来る時に見かけたんでな。話すには調度いいだろ」
 そう俺に言って、ジンはベンチに座り、設置されている灰皿に灰を落とす。俺はその隣に腰掛けた。周りに人はいない。今は何時か分からないが、そういう微妙な時間なんだろう。
PR
この記事にコメントする
NAME : 
TITLE : 
COLOR : 
MAIL ADDRESS : 
URL : 
COMMENT : 
PASSWORD : 
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
 
プロフィール
HN:
みずすまし
性別:
非公開
メッセージ
拍手代わりにもどうぞ。
忍者ブログ | [PR]
shinobi.jp