3キャリア対応ゲームアプリシリーズ、「夢魔の天蓋」「夢幻狂詩ネクロノミコン」「夢幻舞葬モンストラバルツ」について考察やら妄想やら色々。
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遠く、薄ぼんやりと見える二つの人影に目を凝らす。スーツを着た男性と、中年の女性。どちらにも見覚えがある。
深々と頭を下げた男性の、左の袖が風にたなびく。それを見た女性が少しだけ淋しそうな表情をして、それからゆっくりとうなだれる。
どんな事を伝え、どんな風に思ったのか。知りたいと思った。
だってきっと母さんは信じない、こんな話。馬鹿げてるって笑うに決まってる。それで、いつ帰ってくるの、ちゃんと暮らせているの、仕送りなんかしなくていいって言ってるのにって、俺に電話をするんだ。
だけど何だか……母さんは泣いているみたいだ。
やがて二人はどちらともなく顔を上げ、お互い違う方向へと歩き出す。
俺は母さんを追い掛けようとしたけど、あのヒラヒラとたなびくスーツの袖に引っ張られたみたいだった。フワフワとした身体が吸い寄せられるみたいに、母さんを名残惜しく眺めながら、その袖に付いて行った。
「……何で貴様がここにいる」
ぼそりと呟かれた言葉は、自分に向けられているのだと解る。
「わからない。気が付いたら立ってた」
それは本当だ。景色もぼんやりとしか見えないし、その中にそのスーツの色だけが際だっている。
「そうか。揺篭の住人の気まぐれか何かか」
そうかもしれないけど、多分違う。多分。
「……多分、夢さ」
深々と頭を下げた男性の、左の袖が風にたなびく。それを見た女性が少しだけ淋しそうな表情をして、それからゆっくりとうなだれる。
どんな事を伝え、どんな風に思ったのか。知りたいと思った。
だってきっと母さんは信じない、こんな話。馬鹿げてるって笑うに決まってる。それで、いつ帰ってくるの、ちゃんと暮らせているの、仕送りなんかしなくていいって言ってるのにって、俺に電話をするんだ。
だけど何だか……母さんは泣いているみたいだ。
やがて二人はどちらともなく顔を上げ、お互い違う方向へと歩き出す。
俺は母さんを追い掛けようとしたけど、あのヒラヒラとたなびくスーツの袖に引っ張られたみたいだった。フワフワとした身体が吸い寄せられるみたいに、母さんを名残惜しく眺めながら、その袖に付いて行った。
「……何で貴様がここにいる」
ぼそりと呟かれた言葉は、自分に向けられているのだと解る。
「わからない。気が付いたら立ってた」
それは本当だ。景色もぼんやりとしか見えないし、その中にそのスーツの色だけが際だっている。
「そうか。揺篭の住人の気まぐれか何かか」
そうかもしれないけど、多分違う。多分。
「……多分、夢さ」
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