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3キャリア対応ゲームアプリシリーズ、「夢魔の天蓋」「夢幻狂詩ネクロノミコン」「夢幻舞葬モンストラバルツ」について考察やら妄想やら色々。
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「……休んでいなさい」
 私の強い口調に、ジンは左腕を差し出し、その内包する魔素が持つ、この界の支配権を私に譲った。
 掌握した瞬間、私の心配は杞憂に、もう一つ抱いていた予感は核心に、それぞれ変化を遂げる事になる。

 Thiby Magunumu I...Inomiy Signa Stheram.

 この異界を造り出したのは……あ奴であったか。
 やはり……そうなのだな。まさかとは思ったが、ここまでするとは。
 惹かれてしまったのか。止められたかも知れぬのに、何故気が付かなかった、ノーマン。何故。

 Inomiy Ameg Stheream. Lheno Nikon Shwept.

 ジン。何と言う大胆な事を。自身の侵された腕を魔術の触媒とするとは。その魔素で、この界を掌握したというのか。下手をすればお前自身が破滅していたかも知れんのだぞ。

 《ES-Yoth-Triagon》

 馬鹿な事を……父子揃って……!


「容態はどうなの?」
 何処で聞き付けたのか、私の図書館に訪れた少女は、開口一番そう言った。
「私はこの通り、五体満足だが?」
 それを聞いて、酷く呆れたような視線を私に向けた。軽蔑の眼差し。この娘からそんな眼差しを浴びせられるのは、最早慣れてしまったが。
「ふざけないで、ノーマン。分かってるんでしょ?聞いた話では、あの子……」
「……今は休んでおるよ。強制的に寝かせておる。消耗が激しかったのでな」
「そう……」
 安心、では無く、残念、といった表情だ。彼女の目的はわかる。見に来たのだろう。
「もし彼に用事があるのなら、出直して頂けると幸いだな」
 正確には、彼の左腕に、だろうが。
「そうね……でも」
 彼女は口の端を持ち上げて、歳不相応の微笑みを零す。少女と言うよりそれは、妖艶な美女がするものだ、普通は。
「お茶もまだご馳走になってないもの。ゆっくりしていくわ」
「マフィンは用意出来ないが、宜しいかね?」
「ええ。そのかわり、美味しいお茶を頂戴ね」
 オールドロンドンティーが飲みたいわ。……と、そう言って彼女は微笑む。全く、アシュビィズは切らした事が無いと言わなければ良かったか。思わず溜息が付いて出た。
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