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3キャリア対応ゲームアプリシリーズ、「夢魔の天蓋」「夢幻狂詩ネクロノミコン」「夢幻舞葬モンストラバルツ」について考察やら妄想やら色々。
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 今は未だ、知らなくてもいい事だ。ここ数日の体験や、劇的に変えられた生活…それらに対する焦りはある。だが、それでも知らない方がいい事はある。
 ジンは、その心に何を抱えているのだろうか。気になったが、そこまで踏み込む必要は無い。
 ……いずれ分かる時が来る。
 隆介は、そう思う。何故か確信めいた考えだった。覗きたくないと思っても、目をつむり耳を塞いでもなお、目の当たりにする時が来る。
 出会ってから数日しか経ってない、しかも、最悪な出会いを果たした相手に何故こんな事を思うのか。
 不思議だった。だがこの確信は確信として、はっきりとある。
「…大人しく寝るか」
 眠くはない。すっかり目が冴えてしまっている。いやそもそも眠くならないのだ、この身体になってからは。ただ、眠らなくてはならない気がして寝るだけ。……人間らしさのようなものを保っておきたいという気持ちがあるのかもしれない。
 取り敢えず、ベッドで本を読んでいればそのうちうとうとしだすだろう。そう考えてから、本が無い事に気が付いた。あの時、落としてしまったらしい。
 だが、あの男の部屋に取りに戻るのも気が引ける。
 ……まぁ、いいか。今夜は。
 月でも見て、物思いに耽るのも悪くない気がする。
 恐らく、彼は明日も変わらぬ態度で接して来るだろう。今日の好奇心や感傷を全て否定するかのように。
 でも、それでいい。
 暫くは…魔器でいてやろう。

 他に道はないのだから。

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